東京に住んでいた時はマンション暮らしで、就寝するときに暖房を切っても室温が17℃以下になったことはなく、寒さで夜中に目が覚めるということはありませんでした。

ところが、安芸太田町小板に引っ越してからしばらく経ったある夜、いきなり寒さで目が覚めたのです。室温はと温度計を見ると6℃。東京で生活していた時に比べて10℃以上も低いのです。ここ小板は標高800mぐらい、当然、下界よりは寒いのは当たり前。寒さは覚悟していましたし、天気予報でこの冬一番の寒気が来ると聞いてもいました。なのでいつもより寝具を温かくしたのですが、寒さで目が覚めてしまいました。

寝具をいつもより厚くして寝た効果もなく寒さで目が覚めたのですが、正確に言うと、その対策自体は効果がありました。身体全体としては寒さを感じなかったからです。寒さを感じたのは肩です。目が覚めたとき、肩の冷え感と痛いような凝りを感じていたのです。

まだ11月の出来事でその日だけが特別寒く、その後、平年の気温に戻ったため、当面この問題は発生しそうにありませんでした。しかし、11月でこの寒さです。真冬の寒波到来でどうなるのか。すぐに対策を考えなければならなくなりました。

ところが、この肩の寒さ、インターネット等で調べてもあまり良い対策方法が見当たりません。掛布団より敷布団を厚くする、布団乾燥機を使う、湯たんぽを使う、さらには部屋(特に窓ガラス)の寒気対策をするといった方法はたくさん述べられていますが、睡眠を妨げる肩冷え対策をストレートに書いた記事はほとんど見つかりませんでした。。

そんな中で行き着いたのは、「肩掛け」、「肩当て」や「ショルダーウォーマー」とか言われる製品です。早々に注文して使ってみました。確かに温かいです。その意味で広告に偽りなしでした。

しかし、12月初頭、肩掛けをして寝ていたのにもかかわらず、肩の冷えで目が覚めました。室温は3℃。外気温は何度?と寒さより好奇心が勝ち玄関の外の温度計を見に行きました。すると、なんと-6℃。見上げれば夜明け直前の満点の星空。快晴の放射冷却で明け方近くに一気に気温が下がったようです。

そんな試行錯誤をしている中、引っ越しの荷物を整理しているとダウンの取り外し可能なフードを見つけました。都合よく、あごのところに左右を止めるボタンもついていました。それで、その夜、肩掛けを着て寝るのをやめて、そのフードをかぶって寝てみました。

そうすると、また夜中に目が覚めました。しかし、それは寒さではなく暑さでした。室温は8℃、肩掛けではちょうどよい気温でも、ダウンのフードでは暑すぎたようです。当然、ダウンについていたフードなので、肩を覆う部分はありません。首の上のほうから頭を覆うだけだけです。また、フードの羽毛生地もそれほど分厚いというわけではありません。むしろ薄いといったほうが正しいかもしれません。

このことから、肩の冷えと思っていたことは首筋から耳にかけての冷えが原因ではないか、という考えを得ることができました。実際、肩掛けを着ずに寝ていた時も、羽毛布団を肩まできっちり巻き込んでいました。また逆に、肩掛けをしても肩の冷え感が完全になくなったわけでもありませんでした。結局、首筋から耳にかけての冷えが肩に伝わり肩が凝っていたように思えてきたのです。

これで、ようやく対策方法の方向性が見えてきました。しかし、まだ方向性という言葉にとどまっています。なぜかというと、このフード方式には2つほど問題があったからです。一つは、フードの顔の周りのところが3cm程度の長さの毛で覆われており、これが仰向けに寝ると顔に触れてくすぐったいこと。もう一つは首から耳にかけて窮屈であることです。

この視点で対策に使える物はないかといろいろ調べると「頭巾」というもに行き当たりました。ところがこの頭巾、ネットショップで検索すると防災頭巾ばかりが出てきます。仕方がないので、その内の写真で見てよさげなものを買おうとも思ったのですが、よくよく商品説明を見ていると作りが非常に単純です。細長い小さなひじ掛けぐらいの布を折り2つに曲げて、被ったときのあごの下にあたる部分を紐で結んでいるようになっているのがほとんどなのです。

このような簡単な構造だと自分ですぐに作れそうです。そこで、ホームセンターで売っている500円のひざ掛け毛布を頭巾に仕立てることにしました。二つに折りたたんで被ったときのあごにあたる部分にボタン1つとそのボタンを留める紐を縫い付けるだけです。

結果はどうなったかというと、もう最高の一言。耳が隠れるぐらいに被ると暑さはほどよいぐらいに。頭巾の頭の上の部分を目のほうまで引っ張り深くかぶればより暖かくなりますし、逆に耳にかけずあごの下から頭の下までに被るようにすると少し涼しくなります。暑さ調整もバッチリです。また、肩まですっぽり被ることになるので、肩に布団が深くかかるように頭のほうに引っ張り上げる必要もありません。

ただし、ボタンの位置は使いながら調整する必要があります。ボタンを留めて作られる輪が小さいと頭が窮屈で暑つ過ぎるときの調整が難しいです。逆に大きいと、耳などから離れてしまい温かくありません。また、すぐ頭から外れてしまいます。このあたりのことを鑑み、ほどよい位置にボタンをつける必要がありますが、これは試行錯誤の中で調整するしかなさそうです。

防災頭巾を買うと3000円ぐらいというところです。それがたったの500円です。今後改善するとすれば、素材の変更です。今回はアクリルのひじ掛け毛布を使いましたが、汗の発散ということを考えると、ウール素材のほうが良いかもしれません。そのあたりは、今後使っていく中でどこまで改良するか考えていこうと思います。