本格的な山里暮らしを始めて1ヶ月を少し過ぎました。この時点で思った都会と山里での生活感の違いを記録しておきたいと思います。まず、最初はホームセンターです。

都会のホームセンターと田舎のホームセンターでは、求められる市場のニーズがかなり異なるようです。

都会のホームセンターは手ごろな価格の日常生活用品(食料品や衣料品がない)の品ぞろえが豊富な大型スーパーマーケット+DIY+ガーデニングの道具や材料の販売といった意味合いが主流を占めていると思います。

そのため、売り場も日常生活用品の売り場が3/4程度でDIYの売り場が1/4程度、そして屋外にガーデニング売り場があるというのが平均的なところではないでしょうか。

ところが、田舎のホームセンターは日常生活用品の売り場が1/3程度、小規模な農業や建築に必要な道具や資材の売り場が2/3程度を占めています。そして、屋外には、屋内に置けないような大型の農業や建材等の資材を置いているのが一般的なようです。

都会のホームセンターがDIYやガーデニングといった趣味のための品ぞろえをしているところを、田舎のホームセンターでは農業や建築資材となり、そこも生活のための品ぞろえになっています。

その意味で、日常生活用品の品ぞろえの多さや趣味性を満たす商品を期待して田舎のホームセンターに行くと完全に裏切られます。それらの品数が都会のホームセンターに比べて圧倒的に少なく、選択肢が乏しいのです。

しかし、DIYやガーデニングをもっと本格的にやりたいと思っている人が田舎のホームセンターに行くと、そこはお宝の山です。

例えば、プロ用電動工具の雄のマキタの電動工具を店頭に陳列販売しています。修理の受付の窓口もあります。しかし、都会のホームセンターでは低価格のDIY電動工具しか売っていないのがほとんどです。当然そのような工具の修理受付はありません。ある意味工具は使い捨てともいえる扱いです。

ガーデニングもそうです。都会のガーディニング売り場には、色とりどりの花の苗や種、プランターベースの菜園、そしてそれらを演出する趣味性の高いガーデニング資材がたくさんおいてあります。しかし、一歩それ以上の菜園に踏み込もうとした瞬間、個々の資材の価格が高く、菜園の大きさに見合う数をそろえると非常に高価になります。農業的な実用に徹した資材の品ぞろえがあまりにも少ないのです。

結局、都会のホームセンターは消費者のため。田舎のホームセンターは生産者のため。荒っぽく違いを定義すると、このような落としどころになるのかもしれませんね。