まきばの里予定地に移住して早1カ月を過ぎました。ようやくインターネットも引かれ、TVも見ることができるようになりました。ところが、TVを見ていると何か言葉にできない違和感を感じるのです。

TVを見始めてから2週間ほどたって、その違和感の原因がようやくわかってきました。それは、NHK、民放問わず、ニュース系を中心としたのローカル放送の内容が広島県内の情報に閉じていることでした。

関西に住んでいた時のローカル放送ニュースは、近畿(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山)の話題が提供され、天気予報はそれらの地域に福井、香川、三重がプラスされていました。また、首都圏に住んでいたときのローカル放送も、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨)の話題が提供され天気予報もその範囲の情報が提供されていました。

ところが、まきばの里のある広島県でローカル放送を見ると広島県の話題しか提供されません。天気予報も、一日のうち何回も放送される天気予報の一部の時間だけが中国地方を対象にしているだけで、ほとんどの天気予報は広島県内だけを対象にしています。

確かに、広島県内のことを知りたいというローカル視線で見ると、細かいところまで放送され、それはそれで楽しいです。

しかし、まきばの里のある小板のような県境に近い場所では、天気予報の参考として隣の県の隣接している地域の天気予報も見たいのです。しかし、それがTVの流し見でできません。いちいち自らインターネットで隣の県の隣接地域の天気予報を意識して見に行かなければなりません。

また、山口県や島根県といった隣接している県のイベント情報がニュースで流されないため、TVの流し見で、広島県以外への観光のきっかけを得ることができません。隣接県へイベントなどを絡め観光をしようと思うと、これも意識してインターネットを調べないといけません。

首都圏や関西圏のローカル放送であれば、ちょうど日帰りドライブ程度の距離の観光イベントなどをカバーしています。秋の初めのころは「那須岳が紅葉をむかえた」、秋の終わりのころになれば「箱根が紅葉をむかえた」、など、秋から初冬にかけての首都圏の紅葉の移り変わりを随時ローカル放送の中で伝えてくれます。それを見て、じゃあ、東京に住んでいても神奈川県の箱根に明日にでも行ってみるようかとう気になったりするものです。

しかし、広島県のローカル放送枠では、日帰りドライブ圏の山口、島根、鳥取、徳島あたりの情報をTVの流し見で得ることはできません。自分から調べる必要があります。そのため、TVで気づかされて観光に行くといった、首都圏等の大都市圏では当たり前の観光のきっかけを得るということがほとんどありません。

それと、私の場合ですが、常に、首都圏とか近畿圏とか言った形で括られた情報にさらされるのでそのエリアに帰属意識が芽生えてきましたが、ここ広島に住んでいる限り広島県周辺を一つの地域圏とした帰属感は芽生えそうにないのが今のところの感覚です。

このことは、日帰り観光圏の情報がないのと合わせて、ものすごく狭いところに閉じ込められた感じがして、何かさみしい感じがします。

「その土地に住んでみて初めてその土地の生活感覚がわかる。」、この歳になって、まだそんな新鮮な感覚を味わえること自体はびっくりです。若返った気がしてうれしくなります。そんな、気持ちにもさせてもらえたローカル放送の話でした。

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