いただけることになった農業用ビニールハウス、ビニールの覆いは取り外されていますが、パイプそのものは利用していた時のまま立っています。なので、最初に着手する作業はこのビニールハウスの解体です。

解体する農業用ビニールハウス

まずは下見です。ビニールハウスのトップの高さは3m程度ある感じです。パイプの太さは2cm程度。そしてそれぞれのパイプ同士を結合している金具は4種類ぐらいあります。想定外だったのは、その結合金具のほとんどがネジ留めではなく楔(くさび)留めになっていたことでした。しかも、よく考えられています。パイプとパイプが交わるところにはすべてこの金具が必要ですが、これをネジ留めしていたらかなりの工数を要することになります。しかし、この楔なら金槌で数回打ち込むだけで結合完了しそうです。また、パイプどうしの結合強度的も楔のほうがネジ留めより高そうです。

側面の結合金具

トップ楔結合金具

後ほど知ったことですが、農業用ビニールハウスのパイプや結合金具は規格もしくはデファクトスタンダードがあるようで、まきばの里の近くのどのホームセンターでも互換性のある金具やパイプを販売しています。都会に住んでいた時にもホームセンターには時々行っていましたがホームセンターで農業用ビニールハウスを打っているとは思いもしていませんでした。ビニールハウスに興味もなく、また、置かれていたとしても菜園用の小型ビニールハウスしかなかったと思います。農協や農機具の専門販売店が販売しているものとてっきり思っていました。これも新たに知ったことです。

そして、いよいよ解体当日です。トップにある金具を取り外すための脚立(きゃたつ)はビニールハウスのオーナーのS氏から借用することになりました。工具は金槌やドライバーがあれば十分だろうと主にその二つを用意して現地に赴きました。

まず驚いたのが、借用した脚立の使いやすさです。折り畳みの4脚の脚立ではなく、梯子は1面しかなく反対側はパイプ一本の3脚タイプです。3脚であることと、梯子側が下に行くほど広がっているので、梯子側の脚の幅が普通の折り畳みタイプの梯子より広くなっています。そのため、少々の凸凹の地面においても非常に安定しています。全く梯子がぐらぐらしないのです。

三脚型脚立

次に、楔の金具の取り外しです。当初は、楔が受け口にきっちり埋まっているので、ポンチなどの丈夫なパイプ状の物を当て、それを金槌で外しました。しかし、意外と力を入れずに打っても楔が外れるため、金槌の角で楔を打つと簡単に抜けることに気が付きました。そうすると、次から次に簡単に結合金具が外れていきます。それと、楔が外れた瞬間、楔の受け側の金具がパイプから外れ地面に落ちます(手で押さえていれば落ちないのですがそれが面倒)。この時、その金具が地面に落ちるだけなので、後でその部品を集めるのに苦労しません。これが、ネジ等の部品があれば大変です。地面の上に転がっているネジを探すのは大変です。このあたりもよく考えられているなと感心することしきりです。

このようにして横に張られているパイプの撤去は順調に進みました。そして、いよいよ、地面縦に刺さっているパイプを地面から抜くフェーズになりました。まずは引っ張って見ました→びくとも動きません。そして回してみました→やはりびくともしません。仕方がないので、他に抜きやすいパイプはないかと手当たり次第に縦に立っているパイプを引き抜いてみると、何とか一本だけ、頑張れば抜けそうなパイプを見つけました。奮闘すること5分ぐらい、汗だくになってようやく1本のパイプを抜くことができました。なんと60cmぐらい地面に埋まっているのです。

こうなると、パイプの周りをショベルとかで掘るしかないようです。一体それにどれだけの時間がかかるのだ!と思いつつも、とりあえず試しにそれをやろうということで、S氏にショベルを借りに行きました。すると、「そんなもの簡単に抜けるよ!」の一言。抜き方を教えていただくことになりました。

以下は、山里暮らし初心者日記の関連記事(本内容を実際に行っていた時のブログ)です。