こうして、ようやく、農業用ビニールハウスを車庫用に改造するフェーズにたどりつけました。

いただいた農業用ビニールハウスの大きさは幅5.5m、高さ3.5m程度の大きさです。また側面のパイプの設置間隔は55cmぐらいです。いろいろな人に聞くと、この農業用ビニールハウスでは、まきばの里を創るここ小板の積雪や吹雪には耐えられないとのことでした。みなさん、雪が降る前にビニールカバーを取り払い、パイプだけにして冬を超えられるようです。

しかし、これから作ろうとしている車庫は積雪から車を守るためのものです。なので、小板の積雪や吹雪に耐えられる耐久性が必要です。そこで、このビニールハウスの改造に関して次の8つの改造・強化ポイントを設定しました。

積雪に耐えられる構造

  • 側面のパイプの数を多くしパイプの間隔を狭くする。
  • 幅を自動車に必要な最低限の長さにする。
  • 屋根の傾斜をきつくする。
  • 屋根に該当する部分にトラス構造的な力学的強度を持たせる。

吹雪(強風)に耐えられる構造

  • 高さを人が出入りするのに支障のない最低限の高さにする。
  • 風が抜ける構造にする。
  • 最悪の場合でも、覆っているビニールが取れ、パイプの骨組みは守られる。
  • 前後の出入口に対して建築でいうところの壁に相当する強度を何らかの形で持たせる

そのことをポイントに、まず着手したのが側面のパイプの切断です。その簡単な設計図(考え方)が図1です。

図1

農業用ビニールハウスの側面のパイプは、図で分かるように、2本のパイプの屋根のトップにあたるところを接合金具で接続してアーチを作っています。このため、幅を3mにするためにパイプのトップ(図のパイプの上の端)の長さを90cm短くします。

このように書くと簡単に思えますが、そもそも、幅をどれぐらいにするか悩みました。悩んで自分なりの答えが見つからないときはどうするか。それは先人の知恵を借りろ!です。インターネットで販売されているパイプ車庫のスペックを調べ、自分が持っている車の大きさ用のパイプ車庫の幅が2.9~3mであることがわかりました。強度からいうと2.9mにしたいところですが、雪が吹き込んでドアが開きにくくなる可能性もあるため3mにすることにしました。

次に切断する長さです。天井部分のパイプは曲がっているため、(5.5-3)/2mの計算で切断するパイプの長さを決定することができません。では、どのようにしてこの90cmという長さを決めたのか。結局、左右両方のパイプを幅が3mになるように重ねて地面に置き、その時の余分な長さを計り、切断する長さを求めました(図2)。

図2

設計図上で切断の長さを決定するのが大勢の人が分業制で仕事をするプロの仕事なのかもしれませんが、こちらは少人数で仕事をする素人。実際の配置で切断の長さを決定することが、手間がかかっても一番な確かな方法です。これで、幅3mにする方法は決まりました。

次は高さの変更です。できるだけ低くしいたのですが、実用も無視できません。

それで、実際にトップ側だけ90cm切断したパイプを左右1本ずつの1セットだけ作り、それを組み立てて実際の使い勝手を検証することにしました。

パイプの切断はグラインダーで行いました。生まれて初めてグラインダーで金属を切ることになったので、これはこれでいろいろあったのですが、ここでその話は割愛します(別の投稿でそのうち述べたいと思います)。

そして、いよいよ左右のパイプの接続です。ここで、想定外(薄々はそんなにうまくはいかないだろうと頭の中でアラームは出てはいましたが)の問題が発生しました。

いただいたビニールハウスのトップの接続金具をそのまま使って切断したパイプを接続すると、ビニールハウスの側面に当たる部分がハの字に開いてしまうのです。

以下は、山里暮らし初心者日記の関連記事(本内容を実際に行っていた時のブログ)です。